赤嶺政賢衆議院議員が提出していた、前畑弾薬庫内倉庫火災事故についての質問主意書に対する政府回答が、赤嶺事務所から届きました。
質問と政府回答をまとめました。
米海軍佐世保基地の弾薬補給所(前畑弾薬庫)で発生した火災の対応措置に関する質問主意書
10月21日の夕刻、米海軍佐世保基地の弾薬補給所内の木工作業所で火災が発生し、鎮火まで四時間半にわたり燃え続けた。同作業所は、弾薬保管庫群とは500メ-トルの距離にあり、しかも弾薬庫周辺は住宅地域が密集し、最も近い住宅は七十メ-トルしか離れていない。幸いにして延焼、爆発はなかったものの、火災の状況如何によっては大惨事になりかねない事故である。
佐世保市消防局は、火災発生と同時に米側に対して、消防隊を待機するとともに、消化支援を申し入れたところ、米側は「必要がない」として、自力による消火を続けたとのことである。この米軍当局の姿勢は、住民の生命と安全を軽視するものであり、極めて重大である。
佐世保市は、2004年7月28日、米原潜ラホ-ヤ火災事故についても、米側からの通報はなく、正式な連絡が8時間後にあったとして、米軍当局に厳重な抗議をしているが、こうした教訓が全く生かされていない。
地方自治体をはじめ基地周辺の住民から批判と不安の声があがっている。
政府は、火災原因とその全容、米軍の消防活動等の事実経緯を明らかにするとともに、今後の日米間の通報体制、消防活動の相互協力などの対応策を速やかに検討するように米側と協議すべきである。
従って、以下の事項について質問する。
一、火災の原因と米軍当局の消火活動等の対応措置について
1、火災はいつどのような状況下で発生したのか、火災原因を含めて火災の全容を明らかにされたい。
2、米軍当局は、21日16時08分に出火を覚知したと述べているが、約300メ-トル離れた対岸で目撃していた住民らは、14時30分頃には白煙が上がっているのを見たと証言している。14時30分頃には出火していたというのが事実ではないのか。
【回答】おたずねの火災は、長崎県佐世保市前畑町に所在する佐世保弾薬補給所内に設置された木造一部鉄骨造一部二階建ての木工場(延べ面積約800平方メートル)一棟が全焼したもので、出火時刻及び出火原因については確認されていないと承知している。
3、火災が発生してから鎮火まで四時間半もかかったのは何故か。
【回答】
佐世保市長がアメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)軍隊の当局から説明を受けたところによると、火災現場である木工場の天井が崩落するおそれがあり内部に進入することができなかったこと等が、消火に時間を要した理由であると承知している。
4、米軍当局は、佐世保市長と米国海軍佐世保基地司令官との間で締結されている「消防相互援助協定」に基づき、佐世保市消防局に対して援助要請、火災通報をしなかったのはいかなる理由によるのか。
5、佐世保市消防局が、同「消防相互援助協定」に基づいて、数次にわたって消火活動の支援を申し入れたのに、米側は「必要ない」として断った理由は何か。
6、佐世保市消防局の消防活動の支援申し入れに対して米軍当局は、「延焼はない」と断ったというが、炎上中であるにもかかわらず、米側が、「延焼はない」との判断をした理由と根拠は何か。
【回答】
佐世保市長が合衆国軍隊の当局から説明を受けたところによると、火災現場である木工場は弾薬庫への影響を与えない孤立した場所に設置されていること等が、合衆国軍隊の当局が延焼はないと判断し佐世保市消防局に対し援助要請等をおこなわなかった理由である承知している。
7、全焼した木工作業所と直近の弾薬庫の距離は約60メ-トルであるとのことであるが事実か、その弾薬庫はトンネル式弾薬庫のことか。
【回答】
全焼した木工場と直近の弾薬庫との距離は、小山を隔てて、約80メートルであり、この弾薬庫の構造は、れんが造平屋建てである。
8、木工作業所の近くには航空機用の爆弾を加工する作業施設が存在するという指摘があるが事実か。この施設は、爆弾の加工・組み立てを行う作業場なのか明らかにされたい。
【回答】
お尋ねについては、合衆国軍隊の運用の詳細にかかわる問題であり、承知していない。
9、佐世保市消防局が「消防相互援助協定」に基づく消火活動ができなかったのは、佐世保弾薬補給所が米軍の管理下にあり、同協定第1条「援助要請」の規定に示されているように、基地周辺住民の生命と安全に関わる火災という重大事故であっても日本側の消防支援については、米側の判断に委ねられており許可がなければ、所要の消防活動ができないことになっているからだと思われるが、何故そのような規定振りになるのか。
10、米軍基地内の火災等については、日本の消防機関が速やかに消防・調査活動ができるように「消防相互援助協定」について見直すように米側と協議すべきある。政府の見解を伺いたい。
【政府】
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和35年条約第7号)第三条1により、合衆国側は、その施設・区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができることとされていることから、合衆国側がその使用を許された施設・区域内においては、消防機関は、合衆国側のかかる管理権を侵害する形で、消防法(昭和23年法律第186号)に基づく活動をおこなうことはできない。
合衆国軍隊の各施設・区域と消防機関は、このことを前提とした上で、必要に応じ、相互の出動要請方法、立入調査等に関する取決めを作成してきているものと認識している。
11、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の下で、日米地位協定の運用改善の一環として、日米合同委員会において「在日米軍に関わる事件・事故通報体制の整備」(平成9年3月31日)について合意がなされ、そして「在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続き」が策定されている。今回の火災で、米側がこの手続きに従って、外務省等の日本側関係当局に通報しなかった理由は何か。
【回答】
ご指摘の火災については、平成9年3月31日の在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続きに関する日米合同委員会合意に基づき、合衆国側よりわが国の当局に対して通報が行われている。
二、日米地位協定第三条一項と消防法の関係について
1、日米地位協定第三条一項と消防法はどのような関係にあるのか、改めて伺いたい。
【回答】1の9及び1の10についての回答と同じ。
2、日本の消防機関と米軍との間で「相互消防援助協定」が締結されている施設を明らかにされたい。
【回答】
関係する情報を統一的に取りまとめた既存の資料等が存在せず、また、これについて新たに調査を行うこととする場合、調査の実施及び結果の取りまとめに要する作業が膨大なものとなるため、お答えすることは困難である。