原子力艦船放射能冷却水放出問題
冷却水放水問題についての申し入れ
佐世保市が、「米原子力軍艦の冷却水放出、日本政府への通知拒否、米文書で判明」という10月29日付け赤旗報道に、ただちに外務省に事実確認をおこなっていたことが明らかになりました。これは佐世保原水協(山下千秋理事長)、佐世保市平和委員会(篠崎義彦会長)らの同市への「自治体も解禁文書入手し、事実関係を明らかにするように政府に求めよ」との申し入れの際に、佐世保市西野賢治助役が明らかにしたものです。代表らが「佐世保市長が原子力艦入港容認の根拠とする米国政府のフアクトシートと真っ向から反する米国公式文書であり、整合性が問われ、市長の容認根拠が崩れることになるではないか」とせまった際に明らかにしたものです。西野助役は「29日の赤旗報道で、30日さっそく外務省に問い合わせした。外務省は『承知していない』『フアクトシートは原子力軍艦の安全性をアメリカ政府が表明したもの』という回答を得た」と答え、さらに解禁文書、68年10月22日日米覚書とフアクトシートとの関係は、ひきつづき問い合わせをしたい」と約束しました。
佐世保市長光武顕 様
米原子力艦船の冷却水放出問題についての申し入れ
06年11月2日 原水爆禁止佐世保協議会理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会 会長 篠崎義彦
米原子力軍艦が日本の港湾内で一次冷却水を放出した場合でも、日本政府への通知はできないと米側が拒否していたことが、米政府の解禁文書で分かりました。1968年5月、佐世保基地(長崎県)に寄港中の米原子力潜水艦ソードフィッシュの周辺から異常な放射能が検出された事件を受け、当時の日本政府が通知の有無を米側に打診したことへの反応です。
米原子力軍艦の日本寄港はこれまで1200回以上とされますが、日本政府や国民にも知らされないまま日本の港湾内でひそかに一次冷却水が放出されている疑いを深めるものです。
米側が日本の港湾内で一次冷却水放出を秘密裏にできるようにすることに固執し、日本政府も公式の日米合意文書(「会談覚書」)で放出を認めている以上、米原子力軍艦の寄港地は絶えず放射能汚染の危険にさらされていることになります。なお、この「会談覚書」を否定する公式文書はその後今日まで明らかにされていません。
問題の解禁文書は、68年10月22日にジョンソン駐日米大使がラスク米国務長官にあてた電報などです。国際問題研究者の新原昭治氏が米国で入手した一連の米政府解禁文書に含まれていました。そこには、第一次冷却水を港で放出しないというのは、技術的・作戦上から不可能だと書いてあります。さらに日本政府との間でも、「日本の港湾内での放出は例外として認められる」と書いてあります。さらにその事実の通報すらしないという電報文書まであります。
光武顕佐世保市長は、米原子力推進艦船の佐世保寄港を容認する根拠として、今年(06年)4月明らかにしたフアクトシートを例示してきました。そのフアクトシートは米原子力艦船の安全性を強調するもので、放射能漏れ疑惑に対しても「合衆国の政策は、日本国の港も含め、沖合い12海里以内で一次冷却性を含む液体放射性物質を排出することを禁じている」と書いています。しかし、実際には日米取り決めでは放出を認めているということになります。これでは、フアクトシートとは、事実の歪曲であり、これが両国を拘束する合意文書ではなく、米側の一方的な宣伝だけを目的とし無責任な文書だといわなくてはなりません。こんな無責任きわまる文書でもって、佐世保市民の安全を危険にさらし続けることは絶対に許されるものではありません。
市民の生命・安全を守ることを第一義とする自治体の首長として、今回明らかにされた解禁文書、日米会談覚書について、その真相を政府に求めるべきではないでしょうか。
【要請事項】
1、 佐世保市も解禁文書を入手し、その真相を明らかにするように政府に求めること。
2、 フアクトシートが日米両政府を拘束する新たな公式文書であるとするなら、68年10月22日会談覚書は破棄されるのか、政府に確認を求めること。
3、 政府による明確な回答がないかぎり、原子力艦船の入港反対の態度表明をされること。