
住民の方から、相談を受けました。圧倒的多数の住民の方の意見はもっともです。要求実現のために頑張りたいと思っています。論点を整理してみました。
都市計画審議会の重大な責任都市計画は、都市の将来の姿を決めるものであり、かつ、土地に関する権利に相当な制限を加えるものです。したがって、各種の行政機関や住民の利害を調整し、さらに利害関係人の権利、利益を適正に保護する観点が必要となります。
そのため、都市計画法では、学識経験者等の第三者からなる都市計画審議会を設置のうえ、都市計画を決める前にその案について調査・審議することとしています(都市計画法第77条の2、第87条の2第7項)。
本来、このような重要な責務を負っている都市計画審議会が、期待されている役割を果たしてきたのかということが、問われています。それだけに審議委員の構成自体が、付議する行政よりの人選で構成されてきたという問題もあったでしょう。それでも付議されて内容について真摯に向き合い、調査・審議することに、審議会委員として十分な責任と自覚をもってのぞむことがもとめられるでしょう。
「ウッドヒルもみじ」南側地区市街化区域変更の件
次回佐世保市都市計画審議会(09年1月か2月予定)で、付議されようとしています。何が、調査・審議されなくてはならないのか整理してみたいと思います。
1、 なぜ付議されるのか。梅田興産が同地区において開発計画をもっており、その開発を可能にするために、現在の市街化区域調整区域から市街化区域への編入、用途地域指定、地区計画の策定を行おうとするものです。
したがって、行政が付議するにいたった経過はどんなものだったのか。検証されるべきです。いつから、誰から申し立てが行われ、事前の協議はどんなものだったのか、行政内部での検討はどんな風に行われたのか、付議するという内部決定するためにはどんな関係部署との協議を行ったのか。
2、 かかって梅田興産の開発計画がどんなものなのか。住宅開発となっています。それは法的に問題がなければ、誰でも開発する権利はあるでしょう。だが、なぜ、「ウッドヒルもみじ」南側なのか、そこは斜面地に盛り土をしなければならないところ。残された自然を壊す場所にあえてそこを開発する必然性どこにあるのか。先行して開発された計画を土台から打ち壊すものになっている。
それだけに、住民、関係利害人の意見が最大限に尊重されなくてはならないでしょう。
3、 行政は、開発側に立っているが、それでよいのだろうか。
3つの要件がクリアされたので、反対派住民も同意されるだろう(08年11月27日審議会当局答弁)なるものは、住民の要求が何なのか正確に把握していないというだけでなく、3要件なるものの克服を開発側と行政が一体になって、一緒に知恵を出し打ち出したものではないかとさえ、深い疑念を持たざるを得ません。
住民の意見は、南側が開発されること自体に反対なのです。3つの要件などという条件ではありません。都市計画は、都市の将来の姿を決めるものであり、かつ、土地に関する権利に相当な制限を加えるものであることから、各種の行政機関や住民の利害を調整し、さらに利害関係人の権利、利益を適正に保護する観点も必要となります。
そのため、都市計画法では、学識経験者等の第三者からなる都市計画審議会を設置のうえ、都市計画を決める前にその案について調査・審議することとしています(都市計画法第77条の2、第87条の2第7項)。正確に住民の意見を受け止めようとしないというところにも、行政が開発側に立ったスタンスにあることを物語っています。
4、 反対の理由は何か、正当な内容といえるのかどうか。結論からいえば、反対する十分な本件の利害関係に位置しており、そしてその主張は正当で合理的根拠をもっております。また決して狭い「住民の利益」にとどまらず、佐世保市の掲げた環境重視の各種のまちづくり、健やかな子供たちの教育環境づくりという公益性と合致したものです。
一方、開発側の論理は、かかって一企業の営利のみです。そしてこれを支援する行政の論理は自己矛盾に満ちたものです。
住民の主張の特徴(1) 当時の呼び掛けに賛同し、住居を定め、街づくりを行ってきた住民にとって、南側の緑地は、「自然景観との調和」「人の住まいと生物との生息空間である森」そのものです。その緑地を今度の開発計画が奪い取ることは許されません。
(2) それほどの重大な意味をもつのに、当時の県住宅供給公社はいったい、今回どんな態度をとっているのでしょうか。契約の当事者として、積極的に今回の開発計画にクレームをつけるだけでなく、住民に対してはその契約を守る立場からストップをかける努力が求められているのではないでしょうか。
また付議する行政(佐世保市)も、こうした経過を踏まえて、どれだけ住民の利害を考慮に入れて、付議する(市街化区域への変更)内部決定を行ったのでしょうか。問いただしたいと思います。
また、行政はいくつもの自らの各種の計画との矛盾をどのように整理したというのでしょうか。
矛盾1
住民たちは、都市景観デザイン賞を受賞しています。評価した佐世保市は「周囲の山々の自然と見事にマッチした住宅地で、電線の地中化、建築協定や地区計画等の手法の導入によりすがすがしい街づくりが実現」などの最大級の講評を行っています。この講評と、これを台無しにする自らの行政決定(緑地をなくす)の不整合をどう説明されるのでしょうか。
矛盾2
2008年1月の都市計画もみじが丘団地地区計画において、「電線等の地中化」「集合住宅の外周に一定の緑地を確保」「団地周縁の緑地保全につとめる」などの方針と今回の開発許可方針は真っ向から矛盾するものです。行政はどんな弁明ができるのでしょうか。
矛盾3
2008年3月「佐世保市環境基本計画」が改定されています。そこには環境教育・環境学習が重点プロジェクトとして位置付けられ、子供たちを「環境市民」として育んでいくとしています。住民の子供たちは、南側地区緑地で昆虫をとったり、栗の実を拾ったり、豊かな自然環境の中で伸び伸びとふだんの暮らしの中で育っています。現に残っているこれらの環境を奪い取ることと、佐世保市の掲げた方針がどのように結び付くというのでしょうか。
何よりも、環境専門家や教育関係者らの意見をきいたうえでこの付議案件を決定されたのでしょうか。