
長崎県平和委員会HPが以下のような記事を発表してくださいました。
4月22日、「海賊対処」法案の衆議院可決かという緊迫する情勢のもと、憲法闘争の前進をめざす学習・討論集会が開かれました。憲法改悪阻止県共同センターと憲法改悪反対ながさき連絡会の共催。
佐世保原水協理事長の山下千秋さんが講演(以下、要旨)。それを受けて、憲法月間の取り組みについて議論しました。
【ソマリア問題と憲法】(山下千秋)
ソマリアへの自衛隊派兵は、海賊問題を最大限利用して海外派兵恒久法の突破口とするものであり、憲法明文改憲への重大な既成事実をつくるものだ。しかも法的根拠もなく出動させ暴走する姿は戦前の手法を想起させる。
政府の世論誘導が功を奏して国民の中に一定の容認論がうまれているが「海賊対処法」は2つの大きな問題点がある。
第1は、軍隊の出動は正しい解決にならず、むしろ事態を悪化させること。軍隊が対処することで「報復の連鎖」が起き、むしろ海賊件数が増えている。
国際犯罪である海賊問題の解決は警察力で行うべきだ。日本の海上保安庁はマラッカ海峡の海賊件数を10分の1に減らした実績がある。共同訓練を23回も行い、マレーシアには対策のための行政組織がうまれ、インドネシアでは対応部隊ができた。海賊情報共有センターも設立され、各国の努力で押さえ込んでいる。ソマリアの対岸のイエメンも自衛隊ではなく、海上保安庁の技術支援に期待をしている。
当初、自民党は自衛隊派兵に消極的だったが米国の要請と中国の派兵で態度を急変させるなど、本気で海賊対策に向きあう姿勢は見えない。海上保安庁の経験を生かし、またソマリア政府の安定を国際援助でめざすことが急務となっている。
第2は、武力行使を任務遂行の手段として行えるようになること。
これまで自衛隊の武器使用は正当防衛・緊急避難に限定してされてきた。海賊法案では、他国の船舶を奪う目的で、「接近」「つきまとい」「進路妨害」に対して武器使用を認めている。自衛隊が攻撃を受けてもいないのに発砲すれば、先制攻撃的な武器使用になる。
ソマリア沖の「海上警備行動」ではすでに対象外の外国艦船の救助活動を行った。なし崩し的になり、歯止めが効かない様相を示している。海賊法案が通れば、世界のどこへでも自衛隊が出動して武器使用も行えるようになる。
いま戦争体制づくりを進めつつ、憲法改定への策動が急速に強められている。
北朝鮮の「ロケット発射」事件での「ミサイル防衛」実戦訓練と「国民保護」訓練の強行。国民投票法の準備経費47億円の計上。改憲原案の調査権限を持つ憲法審査会を始動させる策動。
そして田母神の台頭を契機にした改憲派の結集--田母神氏が引っ張りだことなっているが2つの狙いが見える。ひとつは日米同盟の一体化の中で、将来の戦争に備えて自衛隊員の精神構造をたたき上げること。もうひとつは自衛隊員が国民を啓蒙して歴史認識を変えさせること。
根本にある日米同盟の本質を暴露してみんなのものにし、共同の輪を広げよう。
【知恵を出しあって運動の前進を】
共同センターは5月を憲法月間と位置づけて県下自治体との懇談と宣伝活動を力を入れることにしています。そのためにも団体内での位置づけをしっかりして規模の大きな取り組みに挑戦しようと提起がありました。
参加者からは、「いま生存権の問題が切実。25条からのアプローチが必要」「憲法のいろいろな切り口から、異なる階層へのはたらきかけを強める」「自分のくらしの問題とつながっていることがわかるようなチラシをつくる」など、憲法問題を多くの人の身近に寄せる工夫について意見が出されました。
また「危機感を持ってこれまでにない取り組みを検討」「地域9条の会と懇談をもち、市内いっせい宣伝行動を」「ふれあい掲示板に毎回、宣伝・企画ポスターをはる」など、多くの人々の目に留まる取り組みの提案も出されました。
(2009年4月23日)