一時預かり保育が激減、「改悪」の前触れか?8日の決算審議から
一時預かり保育が、一気に75%も減りました。1昨年まで25か所の保育園が一時預かりの特別保育を行っていましたが、昨年は5か所に減っていることが決算審議で明らかになりました。
その理由は国の補助基準が厳しくなったからと言います。その一つに株式会社保育事業への参入環境を整えるということもあります。
警戒しよう菅政権の新保育改革の方向
いよいよ、菅政権の「保育制度改革」なるものに警戒せざるを得ません。
制度改革のアウトラインは示されました。正式決定は近々なされるでしょう。
以下、「菅政権の新保育改革」と呼びます。
菅政権の新保育改革を理解するためには、同方針の打ち出された同時期に公表された①新成長戦略、②地域戦略大綱が求める保育制度改革の方向との関連を見れば真の狙いがよくわかります。
新成長戦略が求める保育制度改革の方向
「ビジョン2010」は、経済成長戦略の5大分野の一つに「医療・介護・健康・子育てサービス」を位置づけ、保育をサービス産業化し、自動車産業のように新たな経済成長のエンジンとして育成することを構想しています。この構想を受けて「新成長戦略」は、「雇用・人材戦略」として幼保一体化、子ども家庭省の創設、企業参入の拡大のための環境整備などを提案し、その具体化を「子ども・子育て新システム検討会議」にゆだねています。
地域戦略大綱が求める保育制度改革の方向
「新成長戦略」において産業として位置づけられた保育で参入した株式会社が「稼ぐ」ためには、保育を市場化する必要があります。市場化には保育事業者を縛る規制の緩和が不可欠です。
「地域主権戦略大綱」は国の「義務付け・枠付け」を見直し、市町村の条例にゆだねるための規制緩和を全面的に展開します。保育所については国の責任を後退させる最低基準の廃止・地方条例化がすすめられようとしています。地方条例化にあたって、人権に関わる職員配置などは「従うべき基準」として遵守事項とされましたが、避難路など安全に関する部分は自治体の裁量にまかされる「参酌基準」とされており、人権の保障、子どもの生命の安全が危ういものとなっています。
保育所給食についても小泉政権が実施してきた構造改革特区の取り組みを引き継ぎ、かつ、十分な検証をすることなく、公私立ともに3歳以上児の保育所給食外部搬入の全国展開を認めてしまいました。地域主権により市町村の裁量を拡大するという理由でナショナルミニマムが解体されると、保育は市町村まかせになり、保育所の地域格差が拡大することになります。
子どもの貧困化の中で高まる保育事業の重要さ
厚労省の白書でも、子供の貧困率は、14.2%になっています。保育とは、こうした子供たちを丸ごとうけとめ、温かい給食、楽しい遊び、生活を通した学び、ゆったりした休息を保障するものです。それを支える保母さんの労働条件、職員の配置基準、部屋の最小必要な確保などをきちんと整備していくことです。
営利主義とまったくなじまないものです。
子どもを商品化するようなこのような動きを食い止めなくてはなりません。