
九電本社交渉を行いました。
日本共産党からは、赤嶺政賢衆議員議員(この日国会開催のため、政策秘書が代理)、仁比前参議院議員、九州沖縄ブロック事務所田村貴昭所長、九州各県県議、市議、党組織責任者ら、総数20数名が参加。
玄海原発、川内原発、二つの原発を抱え、九州全域住民の根本的安全にかかわる大問題だけに、九電に「原発からの撤退を迫る」日本共産党としての気迫を示す取り組みになりました。
原発ゼロにしていく闘いの現時点の到達点と課題をあきらかにしていくうえで、今回交渉の特徴を記録しておきたいと思います。主観が入ること、個人的うけとめという制約がありますが、そこはお許しいただきたいと思います。
交渉入る前のエピソード
九州各県から一堂に集まったのだから、交渉に臨む「打ち合わせは」は不可避的作業。本社ロビーでということもごく普通のこと。
なのに、九電本社社員がいきなり、ここでの集会は駄目です。一同、「これはうちあわせ」集会ならもっと大規模に、それなりに構えます」と予定通り、手順と本日交渉の目的を共有しました。
1、 申し入れは九州各県代表が前面に出て、原発立地の佐賀県、鹿児島県県議が文書をまず手渡す。
2、 交渉内容については、まずあらかじめ申し入れしていた要求項目について、九電側が回答する。それにもとづいて質疑、意見交換を行う。
中心点は、技術的側面も当然重要だが、原発そのものからの撤退を迫ることに力を入れる。
などと、申し合わせを行いました。
次に重要だと思われるいくつかの点を整理しておきたい。
(1) 玄海原発1号炉は、36年になっており、脆性遷移温度が98度にのぼっていて危険だから永久停止せよという要求をめぐる問題について
九電側の回答
試験片を原子炉内に入れ、一定間隔で取り出して照射脆化の程度を測定している。確かに原子炉容器基準の93度を超える98度だったが、原子炉容器は試験片より核燃料より遠いため照射量は減る。予測計算で2009年の原子炉容器は80度。健全性評価として60年運転しても問題はない。
我々の見解、
何という開き直りだろう。2010年10月25日4回目の試験片測定の結果は、業界基準93度(原子炉容器)を超え何と98度だったのだ。これは彼らが予測していた数値よりも40度も急上昇していたことになる。予測信頼性は全くないといわなくてはならない。
その結果、玄海1号炉は、日本で一番われやすい原子炉であることが明らかになったということだ。
(2) 地震・津波に対し、万全の対策が講じられない限り、2号機は運転再開しないこと。4号機にの運転を見合わせること
九電側の回答
福島の場合、地震ではチャント止まった。津波のために電源が失われた。これが原因だった。津波対策とっているのでたちあげさせてくれ。今後の新しい知見などが出てくればこれにそって対応したい。
我々の見解
何ということか。福島事故の検証どころか、今なお終息していないのに、再開させろとはどういうことか。福島を経験して、いったい原発の安全問題での認識は何も変わっていないということだ。少々不便が生じても安全こそが最優先だというのが、福島を経験した国民の大方の意見だ。国民世論と事業者との認識のかい離が浮き彫りになった。
(3) 毒性がウランの比ではないプルトニウム(MOX燃料)を使用する3号機のプルサーマル発電は、中止せよ
九電側の回答
ウラン燃料とMOX燃料を使用する原子炉の安全性は同等のものと思っている。ちがいといえば、長い期間通じてみると、高い崩壊熱の下がり方が遅い、いいかえれば熱を長く出し続けるだけだ。
我々の見解
MOX燃料の毒性、プルサーマルの危険性を無視、軽視しているとしか言いようがない、ここでも福島がもたらした惨状を見ようとしない態度だ。
(4) 使用済み燃料保管のリラッキング(貯蔵プールのラックの間隔を狭める)工事は、臨界の危険がより高まるので行わないこと。
(5) 中間貯蔵施設の計画は白紙に戻せ
九電側の回答
中性子を吸収するホウ素などを混ぜた金属を使ってのステンレス製の容器を使う計画だ。すでに川内原発1号、2号、そのほかでも実績があるので大丈夫だ。
なお、この計画は2010年2月8日に国に対し、変更許可を申請している段階で、まだ何も決まったものではない。ただし国の許可がおり、地元の了解が得られたら実施したい。
我々の見解
国に申請した計画では、使用済み燃料1050体に、さらに1030体をつめ込むということになっており、少々狭めるだけ(九電側の説明)というレベルの話ではない。臨界の危険が高まるのではという懸念はいっそう高まった。
(6) 夏場の電源確保対策など
九電側は現在の供給電力能力について次のような数字を示した。
トータル2,354万キロワット
休止している、定期修理に入っているものを除く、現在発電できる能力は、1,978万キロワット。
さらに、玄海2,3号、川内1号を除くと1728万キロワットということになる。
これに対し、見込まれる需要は1669万キロワットである。
したがって、供給能力が上回ってはいるが、予備率はわずかに3.5%しかない。急激な猛暑などを考慮すれば、予備率は8%から10%が適正だと考えている。
(7) 隠しごとするな、情報公開せよ
九電側の回答
ホームページなど情報公開やっている。
我々の見解
宮崎・串間の市議は、「三度、立地問題が浮上した。きっぱり断念せよ。あなた方は裏工作をすすめているのではないのか。表に出た時にはもう立地が決まっていたということになるのではないのか」ときびしく九電を批判した。
熊本の県議は
「あなた方は、事故を真正面からうけとめているのか。九電の長期経営戦略ではあくまで原発す新が中心になっているではないか。福島を経験してなおこの長期経営戦略は認められない。再生可能なエネルギー重視などへの転換がうちだされてしかるべきではないか」としてきた。
さらに九州・沖縄ブロック所長も
「電力会社9社のうち、九電が一番原発依存度が高い。リスキーな原発から脱却すべきだ」と批判した。
仁比前参議院議員も
原発は本質的に未完成の機械であり、それはいのちを危険に追いやるものだという認識を持つべきだ。「福島とはちがって、九電はそうならないように」という話があったが、九電の技術もまた本質的に未完成の技術でしかないという認識が必要だ。と批判。
利潤第一主義で、これほどの国民の安全問題が今なおないがしろにされている、痛感させられました。